【経歴】
平成5年3月、東海大学医学部卒業
平成5年より3年間、胃腸科・一般外科を鍛練し、
平成8年より一般的な皮膚科診療をはじめ、内科・アレルギー科と患者様に接している。
「むくみ」という言葉は、よく耳にしますし、むくみに悩んでいらっしゃる女性も多いのではないでしょうか。
たとえば、毎朝鏡で顔をみると、なんとなく頬がふっくらとしていたり、まぶたが腫れぼったいと感じたことはありませんか?
また、立ち仕事や、デスクワークの多い方は、脚がむくんで、会社帰りにブーツがキツくて履けなかったという経験もあると思います。
顔や手足などの末端が体内の水分により痛みを伴わない形で腫れる症候を浮腫(むくみ))といいます。簡単に言うと血管の外の細胞のまわりの水分が、正常より多くなった状態のことをいいます。
むくみとは、「体内の組織など血管の外に、余分な水分(血しょう成分)が溜まった状態」のことを言います。 この「血しょう成分」とは、血液の液体部分のことで、血液が運んできた栄養分や酸素を腎臓や肺などの組織に運んでいます。この本来の役割を果たした血しょう成分は、通常は血液に戻ります。
人間の身体には、全身を巡るように動脈、静脈の二つの血管とリンパ管が張り巡らされています。そして、心臓がポンプとなって送り出された血液は、動脈を通り身体の隅々まで行き渡り、血液の血しょう成分が、細胞間の細胞間液となって細胞に酸素や栄養を届けます。
酸素や栄養を届けた細胞間液は、次に細胞で使われた後の二酸化炭素や老廃物を回収し、再び血液の血しょう成分となり、静脈やリンパ管を通って心臓に戻ります。
しかし、この時、静脈の働きが悪いとリンパに送られる細胞間液(血しょう成分)の量が増えてしまいます。むくみは、静脈の流れが悪かったり、リンパ液がスムーズに流れないことで、細胞間液が血管に戻らず細胞と細胞の間に細胞間液、いわゆる余分な水分(血しょう成分)が溜まってしまうことにより起こります。
むくみの原因にはさまざまなものがあります。
肝臓だけが弱っている時などは血管の中に水を保っておく働きのある「アルブミン」というタンパク質が少なくなっています。すると、動脈では水分が血管の外に出やすく、静脈では血管の中に戻りにくくなります。リンパ管で排水しても追いつかない時は、浮腫になります。
リンパ管がうまく流れないためにむくむこともあります。リンパ管は壁が薄くてつぶれやすい管なので、その他にもリンパ管の流れを妨げるような状態になっていれば、浮腫が生じます。
腎臓が良くない時には、身体の中の水分を尿として外に出すことができずに、水分がだぶつきます。腎臓が原因でむくむのはこのためです。
心臓が良くない時にも浮腫は生じます。心臓がよく働いていれば静脈の血液は滞ることなく流れますが、心臓の働きが悪いと静脈の血液の流れが悪くなり、静脈に戻りにくくなります。また、リンパ管も最終的には静脈に流れ込みますが、静脈の流れが悪いとリンパ管の流れも悪くなり、浮腫を生じさせます
以上が病的な原因となります。
一般的なむくみの主な原因は、水分や塩分の摂り過ぎといわれます。
また長時間座ったままや、立ったままなどの同じ姿勢での仕事による疲労なども、むくみの大きな原因となります。
皆様の生活習慣の中で思い当たることはありませんか?
また、女性は男性より筋肉量そのものが少ないので、一般的に基礎代謝も少なく、脚からの血流も心臓に戻りにくいため、男性よりも女性のほうが脚がむくみやすいということが言えます。
また、むくみに効く食べ物として、利尿作用のあるウリ科の食べ物(すいか、きゅうりなど)、カリウムを多く含む食べ物 (バナナ、りんご、昆布など)、ビタミンB1を多く含む食べ物( 豚肉、豆腐、あずき、かぼちゃなど)、などがあります。
特にあずきは、利尿作用のあるサポニンが多く含まれているので、昔からむくみに効果的と言われています。
これからブーツを履くことが多くなる時期です。女性にとって、むくみ予防はとても大切な季節になってきますね。
是非、むくみ解消法を実践していただいて、今年はむくみ知らずの脚を目指しましょう。
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