【経歴】
平成5年3月、東海大学医学部卒業
平成5年より3年間、胃腸科・一般外科を鍛練し、
平成8年より一般的な皮膚科診療をはじめ、内科・アレルギー科と患者様に接している。
よく耳にする『基礎代謝』。健康やダイエットのために、代謝を上げることが重要だということは聞いたことがあるけど、詳しく知らない方も多いと思います。今回は、基礎代謝についてお話しましょう。
基礎代謝(きそたいしゃ)とは、呼吸や体温調整など生命を維持するために消費されるエネルギーで、眠っている間でも消費されています。基礎代謝は、人間が生きていくうえで絶対に消費されるエネルギーです。
若い人、男性の方が高い傾向にあります。基礎代謝は、生後、成長するにつれて高くなり、18歳から20歳前後をピークにその後は徐々に減っていきます。個人差はありますが、一般に40歳を過ぎると下降線をたどります。これは、加齢によって筋肉が衰えて減少してしまうと言われております。
また、女性は男性より基礎代謝が低い傾向で、女性は妊娠・出産という大切な役目があるため、男性よりも多くの体脂肪を蓄えており、筋肉量が少ないことが原因です。
相当するエネルギー量は、代謝が安定した一般成人で、一日に女性で約1,200kcal、男性で約1,500kcalとされています。基礎代謝は消費される全エネルギーの約70%を占めており、その消費量は骨格筋、肝臓、脳が半分以上を占めています。
基礎代謝が上がると、運動をしていない時でも消費エネルギー量が増えるので太りにくい身体になります。逆に、基礎代謝が低いと太りやすい身体になるため、基礎代謝を上げることがとても重要と言えます。
基礎代謝低下の原因は、
などと言われています。
筋肉量が増えれば基礎代謝も増えます。
日々のちょっとした心がけで基礎代謝を上げることができます。
また基礎代謝が減ると、肥満になりやすく生活習慣病を誘発しやすくなります。基礎代謝が低いと脂肪が蓄積しやすく、肥満になりやすい状態といえます。高血圧や糖尿病など、さまざまな生活習慣病が起こりやすくなります。普段からの注意が必要ですね!
また過度なダイエットなど極端に食事の量を減らしてしまうと、基礎代謝も極端に低下することが知られています。それは、食事による摂取エネルギー量が少ないため、少ないエネルギー量で身体を動かす防衛本能から身体自身が学んでしまうためです。このような状態になると、大食いまでに至らなくても、食事量を少し多くしただけで太ってしまいます。
何事もほどほどが大切ですね!
基礎代謝を増やすには筋肉を増やすトレーニング基本です。また、食事面では良質のたんぱく質を多く含む食事を心掛けることが大切です。
基礎代謝の多くは筋肉によるエネルギー消費ですので、その筋肉を増やすことで基礎代謝は増えます。筋肉が増えれば、基礎代謝が増え、すると脂肪も減り(脂肪が蓄積しにくくなり)、筋肉質の身体へと変わり、太りにくい体質になります。
朝食を食べることで、眠っている間に低下した体温を上昇させる効果があります。朝食欲のない人も、スープやフルーツなど少しだけでも口にすることで、体温が上がり効率的にカロリーを消費し基礎代謝量もあがります。
40〜42°くらいのお湯に、20分以上浸かって、ゆっくり半身浴をしましょう。一日の疲れをリセットし、身体の調子も整えてくれます。(乾燥肌や皮膚炎、血圧など高い方は主治医にご相談下さい)
正しい姿勢をすることで、肺が開き、基礎代謝をアップさせるために必要な肺活量が増える効果もあります。
座る時は、背もたれを使わずお尻が前方向に傾くようにすると、普段使わない筋肉が使えます。
立つ時は、背中を反らさずに下腹部を引いて真上から頭を引っ張られているようなイメージで姿勢をキープすると正しい姿勢になります。
身体を冷やさないように、なるべく常温のものや温かい飲み物を摂るように心がけましょう。
適度な運動を毎日続けることが基礎代謝量を上げる近道です。運動によって得られる効果は、1日おきだと90%、2日おきだと70%、週に1度だと20%にまで下がると言われています。毎日コツコツ続けましょう。
ストレッチをなどで筋肉が柔らかくなると血流が良くなり、代謝を上げるのに効果的です。身体を柔軟にするために、意識してストレッチをおこないましょう。
日々少しずつ意識をするだけで、基礎代謝を上げることができます。毎日の積み重ねで、健康的で太りにくい身体づくりを心がけましょう。