【経歴】
平成5年3月、東海大学医学部卒業
平成5年より3年間、胃腸科・一般外科を鍛練し、
平成8年より一般的な皮膚科診療をはじめ、内科・アレルギー科と患者様に接している。
4月に入り、新生活がスタート!入学・就職・異動・転勤などで環境が大きく変わった方も多いと思います。飲み会など外食の多い年末年始から、ようやく食生活が落ち着いてきたと思ったら、またこれからの時期はお花見や歓迎会などが増えてきますね。そして、徐々に薄着の季節に入り、冬場に溜めこんでしまった脂肪が気になり始める頃。
本格的に薄着になる前に、ダイエットを一生懸命頑張っている方。頑張ってはいるものの、なかなか痩せない方は、腸内環境を見直してみることが良いかもしれません。
「カラダの中からキレイに」とよく言いますが、外見だけでなく内側からキレイになることが大切。実際には、身体の中が美人な人とそうでない人がいるのが現実。そのカギを握っているのが、「腸」です。腸には食べた物を消化するだけでなく、身体に有益な物質をつくり出したり、免疫力を高める働きもあります。
以上のようなライフスタイルが続くと、腸内環境が崩れ悪玉菌が増えやすくなり、便秘の原因となります。
美肌の決め手も、腸内環境が大きく関わっています。便秘がなく動きがスムーズなキレイな腸の持ち主は、肌トラブルもほとんど抱えていないでしょう。一方、腸にトラブルがあると、肌が荒れたり、疲れやすかったり、口臭が強くなったりします。
腸の健康を左右するのが、腸内に棲んでいる細菌です。腸内には、なんと100種類以上の細菌が棲んでいますが、大きく分けると善玉菌、悪玉菌、そしてどちらか優勢な方につく日和見菌の3種類があります。
一方の悪玉菌(大腸菌、ウェルシュ菌、バクテロイデスなど)は、排泄しにくい便をつくるだけでなく、大腸に送られる食べカスに含まれるアミノ酸やたんぱく質を分解して有毒物質を生成し、様々な身体の不調の原因になります。腸内環境は、その人それぞれのライフスタイルや食事によって、善玉菌が増えたり悪玉菌が増えたりします。腸内の善玉菌を増やすことで、身体の中からのキレイにつながります。
悪玉菌は不規則な生活やストレス、運動不足、肉中心の食事や、甘い物の食べ過ぎを好みます。最近、おならや便の臭いがきついという人は要注意です。悪玉菌が優勢になっている証拠。外見だけでなく、内面からも美しくあるためには、キレイな腸を目指すことが大切です。
腸内環境は、善玉菌と悪玉菌のバランスで決まります。
善玉菌は和食を好み、悪玉菌は動物性たんぱく質を好みます。動物性たんぱく質を含む食事に偏ると、体内に毒素がつくり出され、腸内環境が悪化します。その結果、悪玉菌が増え、善玉菌が圧倒的に少なくなってしまいます。
腸内環境の悪化の他に、がん、心臓病、花粉症などのアレルギーなどの発症と関連性が高いことも分かっています。
●植物性食品を多く摂ろう!
動物性食品(特に肉)に偏ることなく、大豆製品、野菜、芋、果物などを積極的に摂りましょう。
●発酵食品を多く摂ろう!
乳酸菌、酵母菌、麹菌、酢酸菌、枯草菌を含むものを積極的に摂りましょう。
例えば、味噌、醤油、ぬか漬け、キムチ、納豆、チーズ、お酢などがあります。
乳酸菌は、せっかく摂っても胃液や胆汁でほとんどが死滅してしまいます。 最近では、「生きたまま腸まで届く」というような表記の特定保健用食品なども増えていますので、ぜひ取り入れてみましょう。
●食物繊維を多く摂ろう!
現代人は、食物繊維の摂取量が1日の目安量より大きく不足していると言われています。3食の中でしっかりとバランスよく摂るよう心がけましょう。
リンゴやバナナなどの果物類、きのこ類、わかめや昆布などの海藻類、根菜類、いも類など積極的に摂りましょう。
また女性は、月経前や妊娠中は女性ホルモンの一種プロゲステロンの分泌で腸内の水分吸収が活発になり、便の水分が吸収されて固くなるため便秘になりがちです。 食物繊維の多い食品を意識して食事を摂ることを心がけてみてください。
食生活が乱れがちな時期こそ、バランス良い食生活を意識して、腸内環境を整えましょう。
本格的な薄着の季節です。内面からキレイになり、スッキリとした健康的な身体を手に入れましょう!