【経歴】
平成5年3月、東海大学医学部卒業
平成5年より3年間、胃腸科・一般外科を鍛練し、
平成8年より一般的な皮膚科診療をはじめ、内科・アレルギー科と患者様に接している。
5月になり、紫外線が気になり始める季節ですね。女性の皆様は、肌のお手入れを一層気に掛ける時期だと思います。
今回は、「ターンオーバー」についてお話したいと思います。
ターンオーバーとは、肌の新陳代謝、肌の生まれ変わりのことを言います。
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」から成ります。そのうちターンオーバーしているのは、表皮の部分です。
さらに表皮は、一番内側から「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角質層」の4層構造になっています。ターンオーバーとは、細胞分裂によって新しくできた細胞が、上へ上へ押し上げられていくことを言います。
それでは、ターンオーバーの過程をご説明していきましょう。
以上がターンオーバーのサイクルで、約28〜56日周期となります。
このように表皮は絶えず入れ替わっています。ケガをしても徐々に治ってくるのは、表皮に傷がついてもかさぶたとなってはがれ落ち、きれいな肌に生まれ変わっているからです。
ただし、ターンオーバー周期には個人差があります。一般的には加齢とともに新陳代謝が低下し、30代〜40代になると45日程度はかかるといわれます。年齢とともにちょっとした傷も治りにくくなっていくのはそのためです。
皮膚のターンオーバーは自律神経の働きによるものです。
また、加齢や生活習慣の乱れによって、ターンオーバーの周期が変わってしまいます。ターンオーバーは遅すぎても早すぎても肌トラブルの原因となります。
○ターンオーバーが遅いと・・・
角質が溜まりくすんだり、薄皮を重ねたようなごわつきが出てきます。
○ターンオーバーが早いと・・・
水分を保持することが難しい乾燥してしまう状態になります。
肌荒れ・ニキビ・アトピーなどの皮膚炎も悪化することがあります。(肌のバリアー機能が崩れている状況です。)
生活習慣を少し気を付けるだけで、ターンオーバーを正常に保つことができます。
肌のターンオーバーに働く成長ホルモンが睡眠中に多く分泌されます。
夜の22時〜午前2時の4時間が、1日のうちで最もターンオーバーが活発になると言われています。そのため、この時間に、ターンオーバーを妨げるような行為をしてしまうと、お肌の老化を早めてしまうことになります。
・化粧(ファンデーション)をしたままでいる
※化粧をしたまま寝てしまうなんてことは、絶対にやめましょう!
・遅い時間まで、飲食・飲酒や喫煙をしている
すなわち、この時間帯までに洗顔でメイクや汗などの汚れを落としたのち、化粧水でたっぷりと保湿をし、睡眠をとるような生活リズムにすることがターンオーバーを正常に保つポイントです!!
ターンオーバーを正常に保つためにも睡眠時間や規則正しい生活、バランスの取れた食生活、ストレスを溜めないなど、日常生活習慣をもう一度見直してみましょう。
また、紫外線はターンオーバーの周期を早める原因となります。紫外線に当たって表皮がダメージを受けると、細胞はこれを早く治そうとしてターンオーバーの周期は早くなります。しっかりと紫外線対策もおこないましょう。
詳しくは、『紫外線対策』についての記事で紹介しています。
https://www.ashiyase.jp/special/drmoriscolumn16.html
肌に負担がかかりやすくなる季節は、生活習慣の見直しと紫外線対策をしっかりとして美肌をキープしましょう。