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リセルクリニック:院長コラム Dr.Moriの○○な話

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vol.40『貧血』

皆様は、疲れやすい、朝起きるのがツライ、めまいなどの体調不良はありませんか?
今回は貧血についてのお話です。

●貧血と低血圧の違い
貧血を低血圧と間違う方も多くいらっしゃいます。
朝が弱く、早起きが苦手な方が、「低血圧だから」とか「貧血だから」と言うのをよく聞きます。確かにふらふらしたり、めまいや立ちくらみを起こすので症状は似ていますが、貧血と低血圧はまったく関係がありません。

一般的に貧血とは血液が薄くなっている状態、正確には身体の中の酸素を運ぶヘモグロビンの量が減少している状態のことを言います。それに対し、低血圧は、心臓から押し出された血液が血管の壁を内側から押す力が弱くなっている状態であり(急に立ち上がったり、立ち続けることで血圧が低下し、めまいや立ちくらみが起きる、一過性の起立性低血圧と呼ぶことがあります。)、貧血と低血圧は全く違う病態です。

●貧血とは

貧血の原因で最も多いのは、ヘモグロビンの重要な材料のひとつである鉄分が不足することによる鉄欠乏性貧血です。ヘモグロビンは、身体中に酸素を運ぶ働きをしているため、ヘモグロビンが減少すると全身が酸素不足になります。その結果、疲れやすい、めまい、動悸、息切れ、立ちくらみ、頭痛、時に心不全などの症状があらわれます。

貧血の診断は、採血でヘモグロビンの濃度を測定すればすぐに分かります。貧血があるから血液の病気とは限りません。例えば、胃潰瘍や腸のポリープ、不正性器出血や過多月経などにより、慢性的に出血が起こっていれば貧血になることがあるからです。男性より女性の方が貧血になりやすいのは、女性の場合、月経により毎月出血しているようなものなので、その出血量が作られる血液量より多くなると、少しずつ貧血が進んでいくことがよくあるのです。それ以外にも貧血になる原因は、骨髄の病気や血液の病気などによるものもあります。

また、最近では思春期の子供や若い女性に貧血予備軍が多くなってきています。過度なダイエットをおこなったり、加工食品やインスタント食品、スナック菓子ばかりを食べて栄養が偏ってしまうことで、へモグロビンを作るために貯蔵してある鉄分が不足し、血液中の鉄分も減ってしまいます。このように食生活が偏っていると貧血になりやすくなります。

●貧血予防と対策

食事は1日3食規則正しく食べ、偏食・減食・欠食はなおしましょう。

必要以上のダイエットや食事抜き(特に朝食)が、思春期や若い女性の貧血の原因になっていることが多いので、毎食、主食・主菜・副菜などを組み合わせ、栄養素をバランスよく摂るようにしましょう

  • ・主食:炭水化物を多く含む食品(ご飯・パン・めん類など)
  • ・主菜:良質たんぱく質を多く含む食品(魚介類・肉類・卵・大豆製品など)
  • ・副菜:ビタミン・ミネラルを多く含む食品(野菜類・海藻類など)
  • ・その他:乳製品・果物類を適量とりましょう

たんぱく質は、血液中の赤血球やヘモグロビンの材料となる大切な栄養素です。良質なたんぱく質を含む食品とは、魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などです。一度にたくさんとっても身体の中に貯めておくことはできないため、毎食主菜に取り入れて食べるようにしましょう。

また、鉄分は体内で作ることができないため、食べ物から補給する必要があります。
食品に含まれる鉄分には、吸収率の良いもの(ヘム鉄:肉類や魚介類に含まれる)とあまり良くないもの(非ヘム鉄:乳製品や青菜に含まれる)があります。
(十二指腸での吸収率は、ヘム鉄の方が非ヘム鉄より数倍高いと言われています。)

吸収率を良くする方法として、
①動物性たんぱく質と一緒に摂りましょう
吸収率の良くない非ヘム鉄を含む植物性食品は、肉や魚などの動物性たんぱく質と一緒に摂ると吸収が良くなります。ただし、動物性たんぱく質と言っても牛乳やチーズ、卵にはこの作用はありません。

②ビタミンCを一緒に組み合わせて摂りましょう
ビタミンCは、鉄を吸収しやすい形に変えてくれます。ヘム鉄も非ヘム鉄に関わらず、ビタミンCの豊富なレモンを添えたりして工夫しましょう。

その他として
ビタミンB12と葉酸も正常な赤血球を作るために必要な栄養素です。
・ビタミンB12を多く含む食品:牛レバー、豚レバー、魚介類、貝類、卵黄、チーズなど
・葉酸を多く含む食品:牛レバー、豚レバー、卵黄、大豆、納豆、ほうれん草、ブロッコリーなど

暑い日が続き、食欲もなくなりがちな時期ですが、1日3食の食事を心がけ、できるだけ色々な食品からバランスよく栄養をとるように心がけましょう。もちろん睡眠もしっかりとってくださいね。
体調を万全にし、楽しい夏を送りましょう!

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リセルクリニック院長
盛 隆之渋谷区広尾にあるセレブ御用達の『リセルクリニック』。
美容のエキスパートとして、身体の内側からケアをし、細胞を再生していくことで健康的な肌をつくることで、たくさんの女性から支持されているクリニックです。
そしてこの度、リフィートの顧問医師としてお迎えすることができました。
リセルクリニック盛院長からの『美容と健康』の情報をお届けいたします。

【経歴】
平成5年3月、東海大学医学部卒業
平成5年より3年間、胃腸科・一般外科を鍛練し、平成8年より一般的な皮膚科診療をはじめ、内科・アレルギー科と患者様に接している。