皆さまは日頃から、食事の際に「よく噛んで食べる」ことを意識していますか?
現代では、歯で噛まなくても良いほど軟らかいものを好んで食べる傾向にあり、しっかり噛むという意識が薄れてしまっているように思います。
また、忙しい合間に急いで食事を摂ったり、スマートフォンを見ながら食事をするなど、食事に意識が向けられていないのも「よく噛む」ことを忘れさせてしまっていますね。
今回は、『よく噛む=咀嚼(そしゃく)』についてご紹介していきましょう。
咀嚼がもたらす健康・美容への効果はたくさんあります。
1. 胃腸を健康にする
食べ物をよく噛むことで、アミラーゼなどの唾液に含まれる酵素が、食べ物の消化を助けてくれます。口の中でお粥状態になるため、胃腸の負担が軽くなります。
2. 丈夫な歯をつくる
唾液には抗菌作用のある酵素や、カルシウムと結合して歯を強化するたんぱく質などの丈夫な歯をつくる成分が含まれています。
そのため、よく噛むことで唾液の分泌が多くなり、虫歯や歯周病の予防効果が高まります。
3. 記憶力の向上・痴呆の予防
よく噛むことによって、脳神経が刺激されます。そして、脳に流れる血液の量が増えることで脳が活性化し、記憶力の向上と痴呆の予防が期待できます。
4. 生活習慣病の予防
唾液に含まれるペルオキシダーゼという酵素には、食品に含まれる発がん性物質を体外に出す効果があります。がんだけでなく、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病にも有効的です。
5. ダイエットや美容の効果
食べ物を良く噛むことで、唾液の分泌が多くなり、唾液によって糖の分解が進めば、血糖値が高まるため、満腹中枢が刺激されます。そのため、適量で満腹感を得られ、食べ過ぎを防ぎ、ダイエットに効果的です。
さらに、良く噛むことで口の周りの筋肉が鍛えられ、小顔効果やしわ予防効果も期待できます。
また、スキューバダイビングなどで耳抜きが上手くできない時に、ガムなどを噛んでいると咀嚼筋が鍛えられ、耳抜きが楽になることもあるそうです。
このように、よく噛むことは、健康にも美容にもとても良い効果をもたらしてくれます。
では、咀嚼力を鍛えるポイントについてご紹介していきましょう。
咀嚼力を鍛えるためには、いくつかポイントがあります。
昔から子供の頃に、「ご飯は1口30〜40回良く噛む」ように言われていたことを思い出します。
よく噛むことはとても大切ですね。
皆さまも今日の食事から、咀嚼力を鍛えるポイントを意識しながら「よく噛んで」食事を楽しんでみてくださいね。
【経歴】
平成5年3月、東海大学医学部卒業
平成5年より3年間、胃腸科・一般外科を鍛練し、平成8年より一般的な皮膚科診療をはじめ、内科・アレルギー科と患者様に接している。